ヨガでストレス発散にいい理由とは

現代社会に潜むストレスの影

私たちの生活は、科学の進歩によって便利で快適になりました。しかし、その一方で効率やスピード感が求められるようになり、多くの人がストレスを抱えがちな状況に陥っています。朝から夕方までの間、活発になるはずの交感神経が常に優位な状態が続けば、呼吸は浅くなり、血管は収縮して血圧が上がり、カラダは冷えやすくなるなど、様々な不調の原因ともなります。

さらに、ストレスを長期間抱え込むと、ストレスホルモンであるコルチゾールが過剰に分泌されるようになります。すると、血糖値の上昇、免疫力の低下、生殖機能の低下など、深刻な影響が出てくるのです。ストレスが過剰になれば、うつ病や神経症、心身症などの精神疾患のリスクが高まるだけでなく、胃潰瘍、高血圧症、アトピー性皮膚炎などの身体的な病気を引き起こす可能性もあります。

ストレスと上手く付き合うための知恵

このように、ストレスが心身に与える影響は計り知れません。だからこそ、現代人一人ひとりが「自分のストレスとのうまい付き合い方」を知ることが大切なのです。そこで注目されるのが、古くから伝わる東洋の知恵「ヨガ」です。

ヨガの根本にあるのが、意識的で深いリズミカルな呼吸です。この呼吸法は、自律神経のバランスを整え、交感神経と副交感神経の適切な働きを促します。ストレスを受けがちな現代人にこそ、理想的な副交感神経優位の状態をもたらしてくれるのです。

さらに、ヨガのポーズに集中する際は、雑多な思考を手放し、感じる状態、すなわち瞑想状態に入ります。この時、脳は一時的に「考える」作業から解放され、休息を得ることができます。そして、ゆとりの空間ができた心は、自らを整理整頓し、リフレッシュすることが可能になるのです。

ストレス発散に役立つポーズ

ヨガには、ストレス発散に役立つ効果的なポーズがいくつも存在します。

「うさぎのポーズ」は、頭を下げて行うことで、脳への血流を促進します。眼精疲労や肩こりの緩和が期待でき、デスクワークで疲れた現代人に最適です。

「門のポーズ」は、呼吸筋を伸ばすことで肺や腹部組織を活性化し、呼吸の質を高めてくれます。深い呼吸によってストレスを発散できるでしょう。

「鋤すきのポーズ」は、背骨を伸ばし、内臓機能を活性化します。さらに、むくみ改善の効果も期待できます。カラダの老廃物を流し、ストレスによる体の歪みを整えてくれます。

このように、ヨガには心身の緊張を「ゆるめる」ための知恵が詰まっています。自宅で気軽に実践でき、現代人のストレスと上手く付き合うための賢明な選択肢となるでしょう。ストレスの多い日常に、ヨガを取り入れて、リフレッシュする時間を設けてみてはいかがでしょうか。